数え切れないほどのブライダルプロデュース、式場の斡旋をさせていただきましたが、挙式のスタイルは最初から明確に決まっている方は小数です。
「両家の希望で決まっている方」「信仰している宗教によって決まっている方」が該当します。
それ以外の大多数は漠然とイメージはあるものの相手によって、はたまた相談したプランナーによって決定が左右されるのも少なくありません。
ここではどうやってスタイルが決まるか?決めるか?とそれぞれの特徴についてご説明します。
貴方はどんなウエディングスタイルがご希望ですか?この記事の概要は下記の通り。
みんなどうやって結婚式のスタイルを決めてる?
一概に結婚式といっても千差万別。日本で行われている結婚式は大きく分けて4つでキリスト教式、神前式、仏前式、人前式です。 日本人の多くは産まれてから90日前後で神社へお宮参りをし七五三や初詣でも神社を訪れます。 寺院へはお盆や命日でお墓参りに訪れ、クリスマスにはケーキやプレゼントを楽しむ。 寺との関係は日本人のほとんどは仏教徒であることから繋がりが深く、また氏子としての関わりから神社との関係も日常にあります。 教会はというとキリスト教徒でなければなかなか縁がない方が多いのではないでしょうか。以上を踏まえると仏前式や神前式を挙げる方が多くなって当然ですが 実際はそうではありませんね。 ではどうやって結婚式のスタイルが決まっていくのかですが....
- 白いウエディングドレスが着たかったので→キリスト教式、人前式
- バージンロードを父と歩きたかったので→キリスト教式、人前式
- 式場の雰囲気が気に入ったので→キリスト教式、人前式
- 歴史的な建造物での挙式がしたい→神前式
- 和装が憧れだったので→神前式 (この理由ではなぜか仏前は選ばれない...)
- 手間をかけたくないので→キリスト教式(かえって手間が掛かる場合も有り)
- オリジナルな式がしたかったので→人前式
- 費用を安くあげたいので→人前式(安いとは限らない...)
- 無宗教なので→人前式
- 決めた式場/ホテルの設備から選択→キリスト教式、神前式、人前式
- ブライダルフェアで一目ぼれ
このような理由で決まっていきます。 この記事の執筆者本人は、仏教徒でありながらチャペルで人前結婚式を挙げました。じゃあなぜそうなったかですが、新婦がウエディングドレスで式がしたいという希望、両家ともスタイルにはこだわりがないこと、 なんとなく仏教徒なのにキリスト教式は変?っていう感覚、後は私のブライダルの知識と経験、これらを元に「じゃあ人前式にしますか!」って感じで決まりました。 新婦が和装でしたいと言えばおそらく...神前式も検討したでしょうね..... 自分を例にあげて言うのもなんですが、日本人は挙式スタイルにあまり関心がない方のほうが多いですね。 宗教を元に決める方が少ないので「結局やりたいこと」「やりたくないこと」をリストアップすると挙式スタイルが決まってきます。 現在日本ではキリスト教徒は1パーセント程度といわれてますが、キリスト教式を選ばれる方が過半数を超えています。なぜかと考えると結婚式は流行のあるファッションのような側面があるということがこれまでの結婚式の歴史からもうかがえます。
結婚式の歴史、流行
- 古来より新郎家に身内が集い盃事をする結婚式(祝言)が一般的だった。
- 1900年 大正天皇が皇室史上初の一夫一妻制を前提とする神前結婚式を挙げ反響が起こる
- 1970年代 芸能人のキリスト教式がテレビ中継されウエディングドレスに注目が集まる
- 1980年代 ダイアナ妃のロイヤルウエディングなどの影響でキリスト教式への憧れが強まる
- 1990年代 芸能人のキリスト教式のテレビ中継が多くさらにシェアを拡大
- 2000年代 キリスト教式が過半数を超え自由度の高い「人前式」も増加
上記のように結婚式はメディアの影響が大きく、移動手段が増えたことで各自の行動範囲も拡がるにしたがいゲストも様々な地域からの出席が増え 交通の便利なホテル、式場で結婚式を挙げる方が増えて現在のスタイルとなっていきました。 このように見るとどんなスタイルの結婚式が正統ということもなく多くの方が自由にスタイルを決められるというのが結婚式でしょうか。 最近では徐々に自由な形式でオリジナル感も出せる「人前結婚式」をされる方が増えてきています。
キリスト教式
牧師/神父/司式者のもと結婚の誓いを立てる儀式
牧師/神父が司式し、新郎が入場して祭壇の前で待つ。新婦がエスコート(父親)と共に入場。エスコートする者が新郎に新婦を引き渡す。賛美歌、聖書の朗読、誓いの言葉、指輪の交換などが行われる。
過半数以上の方が選んでいる挙式スタイルです。 現在の日本人の多くはキリスト教式で結婚式を挙げており人気の挙式スタイルです。 挙式の流れはほぼ決まっており、新郎新婦はその流れで結婚式を執り行いますので自由度の高さやオリジナリティーを重視する方には向きません。 逆に考えると決まった形があるだけに打ち合わせなどは最小限に済むことで選ばれる方も少なくなりません。
キリスト教式の挙げられる場所
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国内外の教会
教会も「カソリック」や「プロテスタント」などの宗派があり、司式者は神父(カソリック)牧師(プロテスタント)。 当然宗教的な意味合いが強く「キリスト教式」というより「キリスト教の結婚式」と表現するほうが妥当でしょう。 信者以外は挙げられない所や、事前に講習を受けると誰でも結婚式の出来る教会など様々です。また披露宴会場への移動が必須となります。
-
専門式場/ホテルのチャペルなど
宗教的な意味合いはほとんどなく日本人の多くが選択する「キリスト教式の結婚式」ができる場所です。 司式者は提携の教会の牧師さんだったり、はたまたアルバイトで講習を受けた外国人だったり様々です。 披露宴会場への移動が楽なのも人気の一つです。
キリスト教式の衣装
一般的には新郎はタキシード。新婦は純白のウエディングドレス。ブーケはブートニアも必須。
神前式
斎主が神に結婚の報告する祝詞を奏上し神の加護を願う儀式
斎主が神前で二人の結婚をその神社に鎮座する神と氏神、そして祖先神に報告する祝詞を奏上し、神の加護を願う。 三三九度の杯を交わし新郎新婦が誓いの言葉を読み上げ。玉串を神前に捧げて両家が親族となった誓いの杯を交わすといった流れです。
以前からあった挙式スタイルですが、大正天皇の結婚式で注目を集め以降に定着した様式で現在でも多くの方が執り行う結婚式です。 神社は氏子として繋がりが誕生してから90日前後のお宮参りから始まり初詣に訪れるなど親しみがあり多くの方にとって抵抗無く選べるのも人気の理由かと思います。 和装で結婚式がしたいとお考えの方には最初に候補にあがる様式です。一般的には親族のみで執り行われます。挙式の前(後)に親族紹介を行う場合がほとんどです。
神前結婚式の挙げられる場所
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全国各地の神社
神社により親族以外の参加が制限されたりの制約が有ります。 挙式後はマイクロバスやタクシーを用意し宴会場への移動が必須です。
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ホテル/式場併設の館内神殿
チャペルより使用頻度が低いためか大人数を収容できる神殿を構えているところは少なく、スペース的な制約から親族のみの挙式とせざるえない状況もあり。 館内の為に天候に左右されず、また披露宴会場への移動もスムーズといったメリットがあります。
神前結婚式の衣装
一般的には新郎は紋付袴で新婦は白無垢を着用。十二単・衣冠をこの機会に着たいといわれる方も! 和装は洋装に比べると鬘(かつら)代などで美容料金も高額になる傾向もあり。
仏前式
本尊に結婚を奉告する儀式
住職と参列者が、本尊に結婚を奉告し、住職から終生仏教徒として守るべき事柄について諭しを受け、記念の数珠を拝受、 互いに敬愛を誓いあう誓紙に署名した後、三三九度の杯を交わすのが主なスタイル。
仏前式をされる方でまだ結婚式をどのようなスタイルが良いか迷っている方には出会ったことがありません。 相談にこられた段階で「○○寺で仏前式をしたいのですが、どのように準備したら良いでしょうか」という方がほとんどです。
仏前結婚式の挙げられる場所
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全国各地の寺院
まずはご自分の寺のご住職に相談されると良いでしょう。
仏前結婚式の衣装
一般的には新郎は紋付袴で新婦は白無垢を着用。 和装は洋装に比べると鬘(かつら)代などで美容料金も高額になる傾向もあり。
人前式
ゲストに結婚の誓いを示し承認をいただく結婚式
人前式はゲストを前に二人が結婚の誓いをたて、ゲストに認めてもらう、見届けてもらうといった挙式スタイルです。式の流れは、ある程度キリスト教式と同様にする場合もあれば まったく違った形式で行うのも自由でありポイントは二人よがりのものではなく。ゲストも一緒に祝福できる二人らしい進行や演出ができるかに尽きます。 また自由であるが為に打ち合わせや準備に時間をかける側面もあります。
まとめ
結婚式のスタイルって自由に選択ができるのが理解いただけたと思います。自由にといってもポイントはあります。 結婚式は今から親族となる両家にとっても大事な儀式ですので。まずはそれぞれのご両親は娘、息子の結婚式にどのような要望や夢を持っておられるかを把握しておくのも 非常に大事なポイントです。結婚式は新郎、新婦二人だけのものではありませんので今後の円満な家族、親族ご友人との素晴らしい関係を築ける第一歩となるような 挙式スタイルを熟慮、ご選択ください。みんなの夢が叶う素敵な結婚式が執り行われることを心よりお祈りいたします。
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